Google、Geminiに「スキル」。Gemは廃止へ、企業・学校は移行の準備を

GoogleがGeminiに使い回せる指示の仕組み「スキル」を導入し、Gemを置き換えると発表しました。個人・企業・学校ごとのGem終了時期、自動移行の範囲、業務や授業での使い方と注意点を整理します。

GemはGeminiスキルへ。移行はいつ?(AIニュース|Google/9月30日発表)
Vendor
Google
Announced
2026.09.30
Published
2026.10.01
Checked
2026-10-01 04:00
Reading
約7分
Supervisor
舟橋 遼亮(代表取締役CEO)

GoogleはGeminiに、よく使う指示を保存して何度も呼び出せる「スキル」を導入し、これまでの「Gem」を置き換えると発表しました。Gemで定型業務や授業準備を回してきた企業・学校は、2027年3月(企業など)または2027年6月(教育機関)までにスキルでの運用へ移ることになります。

この記事は、Googleが2026年9月30日に公開した公式発表をもとに、2026年10月1日時点の情報で書いています。

何が発表されたか

  • スキルとは: よく使う指示(カスタム指示)を一度保存し、繰り返し実行できる仕組みです。入力欄に「/」とスキル名を打つと呼び出せます。
  • 提供範囲: Geminiのチャットへ世界的に展開を始めました。Google AIのすべてのサブスクリプション階層が対象で、現在は18歳以上です(18歳未満は近日対応予定)。
  • Google Workspace: business、enterprise、nonprofit、educationの各顧客には「今後数週間で」提供するとしています。
  • 主な機能: チャットの内容からGeminiがスキル作りを手伝います。条件に合う依頼では自動で実行されます。複数のスキルを重ねて使えます。テキスト・PDF・画像を参照ファイルとして付けられます。
  • Gemの終了: Gemのサポートは段階的に終わります。Gemは終了時にスキルへ自動で移行されます。
  • あわせて終了するもの: ミニアプリを作る実験的な取り組み「Opal」も11月に終了します。「Gems by Google Labs」も終了し、こちらはスキルへ移行されません。
個人アカウントはスキル提供が始まり、Gemのサポートは2026年11月から終了。Workspaceの企業・非営利はスキルが今後数週間で提供、Gemは2027年3月から終了。Workspaceの教育機関はスキルが今後数週間で提供、Gemは2027年6月から終了。
FIG.01アカウントの種類ごとのスキル提供とGem終了の時期
アカウントの種類 Gemのサポート終了
個人のGoogleアカウント 2026年11月から
Workspace(business・enterprise・nonprofit) 2027年3月から
Workspace(education) 2027年6月から

料金については、スキル単体の料金は発表されていません。日本語での利用可否も、発表の中では明記されていません。

ヘルプセンターによると、確認日時点でスキルを使えるのは個人のGoogleアカウントで、「Keep Activity」を有効にしている18歳以上の人です。職場・学校のアカウントへの提供は、これから広がる予定です。

日本の企業・学校でどう使えるか

業務・授業での使いどころ

Gemで作ってきた「決まった型の仕事」は、そのままスキルに置き換えやすいと考えられます。

  • 営業・企画部門の提案準備
  • 入力: 提案先の概要と伝えたい要点
  • 処理: スライド構成、話す要点、想定問答を作るスキルを実行
  • 出力: 提案資料のたたき台と質疑の準備メモ
  • 広報・マーケティングの文章作成
  • 入力: 告知したい内容
  • 処理: 「自社の文体」スキルと「ブランドの表記ルール」スキルを重ねて実行
  • 出力: 表記がそろった告知文の下書き(公開前に人が確認)
  • 学校の授業準備・探究学習
  • 入力: 単元名や探究のテーマ
  • 処理: 「一つのテーマに3〜5の異なる視点を出す」スキルを実行
  • 出力: 議論の論点や発表練習の材料

発表でも、プレゼン準備、文体の統一、複数の視点出しが使い方の例に挙がっています。社内の規程や記入例をPDFで参照ファイルに付けると、回答の前提をそろえやすくなると考えられます。

始め方

  1. 情報システム担当・ICT担当: 社内・校内で使っているGemの一覧を作ります。誰が、何の業務で、どのファイルを使っているかを書き出します。
  2. 各部署の担当者: 知識ファイルの形式を確認します。スキルで扱えるのはテキスト・PDF・画像などで、.docxや.xlsxには対応していません。必要ならPDFなどに変換しておきます。
  3. DX担当: Workspaceへのスキル提供が始まったら、よく使うGemを1〜2個選び、スキルとして作り直して結果を比べます。
  4. 管理者: スキルの共有機能が加わる時期を見ながら、部署で共通にするスキルと個人で使うスキルの分け方を決めます。
  5. 全体: 終了時期(企業は2027年3月、教育機関は2027年6月)より前に切り替えを終える計画を立てます。

自動移行はありますが、使い方が変わる点もあります。重要なGemは早めに試しておくのがおすすめです。

注意点

  • 移行されない機能がある: ヘルプセンターでは、動画作成、音楽作成、Canvas、Deep Research、ガイド付き学習(Guided learning)など、Gemで使えた標準ツールの多くがスキルでは当面使えないとしています。これらに頼るGemは代わりの手順が必要です。
  • ファイルの制約: アップロードするファイルの合計は100MBまでです。GitHubのファイルは当面対応していません。
  • 有効にできる数: スキルはいくつでも作れますが、同時に有効にできるのは100個までです。
  • 自動で動く点: 有効なスキルは、依頼の内容に応じて自動で使われることがあります。意図しない指示が混ざらないよう、使わないスキルは無効にしておくと安心です。
  • 共有とDrive連携はこれから: 他の人との共有、Google Driveのファイルの追加などは「今後数週間で」加わる予定です。チームで使う運用は、提供を確認してから固めるのがよいでしょう。
  • 入力する情報: 参照ファイルに個人情報や取引先の機密を含めてよいか、社内・校内のルールを先に確認してください。
  • 生徒の利用: 現在は18歳以上が対象です。高校で生徒に使わせる場合は、18歳未満への提供を待つ必要があります。

TERRAISEに相談する

GemからスキルへはUIの乗り換えにとどまらず、「どの業務の指示を型にするか」を見直すよい機会です。業務を入力・処理・出力に分けて、スキルにする工程を選ぶところから、60分の無料相談で一緒に整理できます。学校での活用は教育機関向けAI教育、社内への定着は生成AI研修「AX Academy」もご覧ください。

出典(2026年10月1日 04:00 確認)

製品名・機能・提供範囲・料金は変わることがあります。導入前に必ず公式情報をご確認ください。

TERRAISE代表 舟橋遼亮のポートレート

Supervised by — 監修

株式会社TERRAISE 代表取締役CEO 舟橋 遼亮

2025年2月に株式会社TERRAISEを創業。お茶の水女子大学 外部講師、Google AI Student Ambassador(2025年)を務める。上場企業や全国の高校などで、AIの活用を実際に指導している。

執筆:株式会社TERRAISE(公式発表をもとにAIで下書きし、出典と照合して掲載)。公開日:2026年10月1日

よくあるご質問

Q01Gemはいつ使えなくなりますか?

Googleの発表では、Gemのサポート終了は個人のGoogleアカウントが2026年11月から、Workspaceのbusiness・enterprise・nonprofitが2027年3月から、Workspaceのeducationが2027年6月からです。

Q02作ったGemは作り直す必要がありますか?

Gemは終了時にスキルへ自動で移行されると発表されています。ただし動画作成やCanvas、Deep Researchなど、スキルで当面使えない機能があり、Gems by Google Labsは移行されません。重要なGemは早めにスキルで試すのがおすすめです。

Q03会社や学校のアカウントでスキルは使えますか?

確認日時点でスキルを使えるのは、個人のGoogleアカウントの18歳以上の利用者です。Workspaceのbusiness・enterprise・nonprofit・education向けには「今後数週間で」提供するとされています。

まず、御社の「あの業務」を、ひとつ教えてください。

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