GoogleはGeminiに、よく使う指示を保存して何度も呼び出せる「スキル」を導入し、これまでの「Gem」を置き換えると発表しました。Gemで定型業務や授業準備を回してきた企業・学校は、2027年3月(企業など)または2027年6月(教育機関)までにスキルでの運用へ移ることになります。
この記事は、Googleが2026年9月30日に公開した公式発表をもとに、2026年10月1日時点の情報で書いています。
何が発表されたか
- スキルとは: よく使う指示(カスタム指示)を一度保存し、繰り返し実行できる仕組みです。入力欄に「/」とスキル名を打つと呼び出せます。
- 提供範囲: Geminiのチャットへ世界的に展開を始めました。Google AIのすべてのサブスクリプション階層が対象で、現在は18歳以上です(18歳未満は近日対応予定)。
- Google Workspace: business、enterprise、nonprofit、educationの各顧客には「今後数週間で」提供するとしています。
- 主な機能: チャットの内容からGeminiがスキル作りを手伝います。条件に合う依頼では自動で実行されます。複数のスキルを重ねて使えます。テキスト・PDF・画像を参照ファイルとして付けられます。
- Gemの終了: Gemのサポートは段階的に終わります。Gemは終了時にスキルへ自動で移行されます。
- あわせて終了するもの: ミニアプリを作る実験的な取り組み「Opal」も11月に終了します。「Gems by Google Labs」も終了し、こちらはスキルへ移行されません。

| アカウントの種類 | Gemのサポート終了 |
|---|---|
| 個人のGoogleアカウント | 2026年11月から |
| Workspace(business・enterprise・nonprofit) | 2027年3月から |
| Workspace(education) | 2027年6月から |
料金については、スキル単体の料金は発表されていません。日本語での利用可否も、発表の中では明記されていません。
ヘルプセンターによると、確認日時点でスキルを使えるのは個人のGoogleアカウントで、「Keep Activity」を有効にしている18歳以上の人です。職場・学校のアカウントへの提供は、これから広がる予定です。
日本の企業・学校でどう使えるか
業務・授業での使いどころ
Gemで作ってきた「決まった型の仕事」は、そのままスキルに置き換えやすいと考えられます。
- 営業・企画部門の提案準備
- 入力: 提案先の概要と伝えたい要点
- 処理: スライド構成、話す要点、想定問答を作るスキルを実行
- 出力: 提案資料のたたき台と質疑の準備メモ
- 広報・マーケティングの文章作成
- 入力: 告知したい内容
- 処理: 「自社の文体」スキルと「ブランドの表記ルール」スキルを重ねて実行
- 出力: 表記がそろった告知文の下書き(公開前に人が確認)
- 学校の授業準備・探究学習
- 入力: 単元名や探究のテーマ
- 処理: 「一つのテーマに3〜5の異なる視点を出す」スキルを実行
- 出力: 議論の論点や発表練習の材料
発表でも、プレゼン準備、文体の統一、複数の視点出しが使い方の例に挙がっています。社内の規程や記入例をPDFで参照ファイルに付けると、回答の前提をそろえやすくなると考えられます。
始め方
- 情報システム担当・ICT担当: 社内・校内で使っているGemの一覧を作ります。誰が、何の業務で、どのファイルを使っているかを書き出します。
- 各部署の担当者: 知識ファイルの形式を確認します。スキルで扱えるのはテキスト・PDF・画像などで、.docxや.xlsxには対応していません。必要ならPDFなどに変換しておきます。
- DX担当: Workspaceへのスキル提供が始まったら、よく使うGemを1〜2個選び、スキルとして作り直して結果を比べます。
- 管理者: スキルの共有機能が加わる時期を見ながら、部署で共通にするスキルと個人で使うスキルの分け方を決めます。
- 全体: 終了時期(企業は2027年3月、教育機関は2027年6月)より前に切り替えを終える計画を立てます。
自動移行はありますが、使い方が変わる点もあります。重要なGemは早めに試しておくのがおすすめです。
注意点
- 移行されない機能がある: ヘルプセンターでは、動画作成、音楽作成、Canvas、Deep Research、ガイド付き学習(Guided learning)など、Gemで使えた標準ツールの多くがスキルでは当面使えないとしています。これらに頼るGemは代わりの手順が必要です。
- ファイルの制約: アップロードするファイルの合計は100MBまでです。GitHubのファイルは当面対応していません。
- 有効にできる数: スキルはいくつでも作れますが、同時に有効にできるのは100個までです。
- 自動で動く点: 有効なスキルは、依頼の内容に応じて自動で使われることがあります。意図しない指示が混ざらないよう、使わないスキルは無効にしておくと安心です。
- 共有とDrive連携はこれから: 他の人との共有、Google Driveのファイルの追加などは「今後数週間で」加わる予定です。チームで使う運用は、提供を確認してから固めるのがよいでしょう。
- 入力する情報: 参照ファイルに個人情報や取引先の機密を含めてよいか、社内・校内のルールを先に確認してください。
- 生徒の利用: 現在は18歳以上が対象です。高校で生徒に使わせる場合は、18歳未満への提供を待つ必要があります。
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GemからスキルへはUIの乗り換えにとどまらず、「どの業務の指示を型にするか」を見直すよい機会です。業務を入力・処理・出力に分けて、スキルにする工程を選ぶところから、60分の無料相談で一緒に整理できます。学校での活用は教育機関向けAI教育、社内への定着は生成AI研修「AX Academy」もご覧ください。
出典(2026年10月1日 04:00 確認)
- Google「Let skills in Gemini tackle your most repetitive tasks」
- Google「About the transition from Gems to skills(Gemini アプリ ヘルプ)」
- Google「Create & manage skills for Gemini Apps(Gemini アプリ ヘルプ)」
製品名・機能・提供範囲・料金は変わることがあります。導入前に必ず公式情報をご確認ください。
