Googleは、新しい最先端モデル「Gemini 4 Argon」を発表しました。今はサイバー防御を担う組織や一部の試験利用者などに限られ、一般の企業・学校はまだ使えません。日本の企業・学校では、一般提供に備えて「長く複雑な業務」の洗い出しと料金の試算から始めるのがおすすめです。
この記事は、Googleが2026年9月30日に公開した公式発表をもとに、2026年10月3日時点の情報で書いています。
何が発表されたか
Gemini 4 Argon(以下、Argon)は、長く続く複雑な作業でも深い推論(筋道を立てて考えること)を保つように作られたモデルです。公式発表の要点は次のとおりです。
- 得意分野: 実務のソフトウェア開発、法務・財務などの知的業務、サイバーセキュリティの防御です。グラフの分析、長い動画からの情報の読み取り、複数の文書に基づく作業にも強いとされています。
- 出力の上限: 1回に出力できるトークン(文字数の単位)の上限を、従来の6万4千(64K)から100万(1M)に広げました。
- 提供の状況: 現在は「Fairwind Program」を通じて、信頼できるサイバー防御の担当者に順次提供しています。開発者・企業・一般の利用者への提供は、有料のAPI(プログラムから使う窓口)の顧客と「Google AI Ultra」の加入者から始めるとしています。
- 料金(API): 導入価格は入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドルです。キャッシュされた入力は入力価格の95%引きです。導入期間の後は、入力4ドル・出力20ドルになります。
- 安全対策: 広く提供する前に、悪用の防止、プロンプトインジェクション(文書などに仕込んだ指示でAIを乗っ取る攻撃)への対策、意図しない動作の監視、検証環境の強化の4分野で対策を強めるとしています。

公表された主な評価結果は次のとおりです。
| 評価 | 内容 | 結果 |
|---|---|---|
| DeepSWE v1.1 | 実務的で長いソフトウェア開発 | 77.9%(最高水準) |
| AutomationBench | 業務の一連の実行(Zapier) | 51.3%で1位 |
| LVBench | 長い動画の理解 | 91.7%(最高水準) |
| CWE-bench v1 | 脆弱性の修正 | 68%で同率1位 |
一般提供の開始日、日本での提供、日本語での性能、導入価格の期間は発表されていません。
日本の企業・学校でどう使えるか
ここからは、公式発表を踏まえたTERRAISEの考えです。Argonはまだ一般の企業・学校では使えません。そのため、「使えるようになったら何を任せるか」を今のうちに決めておくことが考えられます。
業務・授業での使いどころ
公式発表では、Google社内での大規模なコードの移行や、法務・財務の作業での強さが紹介されています。これを日本の職場に当てはめると、次のような使い方が考えられます。
- 情報システム部門の古いシステムの改修
- 入力: 既存のプログラムと仕様書
- 処理: 移行先の言語への書き換え案とテスト案をAIが作る
- 出力: 差分の下書き。本番に入れる前に人が確認する
- 法務・経理の調査と文書の下書き
- 入力: 社内規程、過去の契約書、決算資料(社外に出してよい範囲)
- 処理: 論点の整理と、複数の資料を突き合わせた調査
- 出力: 契約書や報告書の下書き。最終判断は担当者が行う
- 学校の授業・校務での長い資料の整理
- 入力: 授業の録画、研修資料、複数の通知文書
- 処理: 長い動画や資料から要点と根拠の場面を抜き出す
- 出力: 振り返り用の要点メモや、教員間の共有資料の下書き
どれも「出力の形を先に決める」と、AIに任せる範囲と人が監修する範囲がはっきりします。
始め方
具体的な申し込み手順は、確認日時点で公表されていません。以下は一般的な進め方です。
- DX担当・情報システム担当が、今の契約を確認する。 先行提供の対象は有料APIの顧客とGoogle AI Ultraの加入者と発表されています。自社・自校がどの契約で Geminiを使っているかを整理します。
- 各部署・各教科が、長く複雑な作業を3つ挙げる。 それぞれを入力・処理・出力に分けて書き出します。
- 試すための課題と評価の基準を用意する。 機密を含まない過去の資料で、「どこまでできれば合格か」を決めておきます。
- 料金を2通りで試算する。 導入価格(入力2ドル・出力10ドル)と、その後の価格(入力4ドル・出力20ドル)の両方で月額を見積もります。
- 提供が始まったら、公式の提供範囲を確認して小さく試す。 1部署・1学年など範囲を絞って始めるのがおすすめです。
注意点
- 提供時期と範囲が未定です。 一般提供の日付、日本で使えるか、日本語でどこまで使えるかは発表されていません。導入計画は時期を固定せずに立てるのが安全です。
- 入力してよい情報を決めておきます。 個人情報、顧客情報、成績などを入れてよいかは、社内・校内の規程と契約条件を確認してから決めます。
- 出力上限が大きいほど費用も増えます。 出力は入力より単価が高いので、長い出力を多用すると費用が膨らみます。
- 評価結果の読み方に注意します。 Vals Indexは米国のGDPへの寄与で分野を重み付けした指標と説明されています。日本の業務でも同じ結果になるとは限りません。
- サイバー機能には制限があります。 サイバー面の制限(cyber guardrails)を外した版は、信頼された防御担当者とGoogle社内のチーム向けとされています。一般の利用者は、有害な依頼を断る設計のモデルを使う前提で考えます。
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出典(2026年10月3日 14:19 確認)
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