OpenAIは開発者向けイベント「DevDay 2026」で、20件以上の発表をまとめて公開しました。中心は、上位モデルGPT-6 Astraに近い性能を標準料金の5分の1で使える「GPT-6.1 Sol」です。ChatGPTやAPIを使う企業・学校にとっては、業務ごとに使うモデルを選び直すきっかけになります。
この記事は、OpenAIが2026年9月29日に公開した公式発表をもとに、2026年10月3日時点の情報で書いています。
何が発表されたか
発表はChatGPT・Codex(OpenAIのコーディング支援AI)・API・セキュリティにわたります。公式ドキュメントで確認できた主な内容は次のとおりです。
- GPT-6.1 Sol: GPT-6 Solの改良版です。エージェント型のコーディング、コンピューター操作、専門的な業務でGPT-6 Astraに近い性能を、Astraの標準料金の5分の1で提供するとされています。
- ChatGPTでの提供: GPT-6.1 Solは、Plus・Pro・Business・Enterprise・EduのユーザーがChatGPT WorkとCodexで使えます。通常のチャット画面(Chat)では、まだ使えないとされています。
- GPT-6 AstraのUltrafast(超高速モード): APIで、出力の生成速度を上げる新しい処理区分(service tier)が加わりました。GPT-6 Astra自体は、9月3日にAPIで公開済みのモデルです。
- Agents APIのコンピューター操作: AIエージェント(作業を任せられるAI)が、OpenAIの用意したブラウザーでWebサイトを操作できるようになりました。ベータ版です。
- Codex Security Cloud: 脆弱性(セキュリティ上の弱点)を調べ、所見の確認、重複の除去、修正案の準備までを行います。定期的なスキャンもできるとされています。
APIの主な料金(100万トークンあたり、米ドル)は次のとおりです。トークンは、AIが文章を処理する単位です。
| モデル | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
| GPT-6.1 Sol(標準) | 2ドル | 10ドル |
| GPT-6 Astra(標準) | 10ドル | 50ドル |
| GPT-6 Astra(Ultrafast) | 60ドル | 300ドル |
どちらのモデルも、一度に扱える量(コンテキストウィンドウ)は1,050,000トークンです。入力が272Kトークンを超える場合は、割増の料金になります。日本向けの提供条件や日本語対応についての個別の説明は、発表されていません。

日本の企業・学校でどう使えるか
業務・授業での使いどころ
今回の発表は、「高性能なモデルを、コストを抑えて業務に回せるか」という点で使いどころがあります。次のような例が考えられます。
- 企画・管理部門の資料作成: 入力(社内規程や過去の報告書などの長い資料)→ 処理(GPT-6.1 Solで要点の抽出・比較)→ 出力(報告書の下書き)。人が最後に内容を確認する「下書き+人の監修」の形がおすすめです。
- 情報システム・開発部門の安全確認: 入力(自社のGitHubリポジトリ)→ 処理(Codex Security Cloudで脆弱性を調べ、修正案を準備)→ 出力(担当者がレビューする所見と修正案)。修正の採否は人が判断します。
- 学校の校務・授業: 入力(行事計画や過去の配布物)→ 処理(ChatGPT Eduのワークスペースで要約・たたき台の作成)→ 出力(教員が手直しする文書案)。情報科やプログラミングの授業では、Codexで書いたコードを生徒が読み解く教材づくりも考えられます。
Agents APIのコンピューター操作は、Webサイトの動作テストや情報収集を開発部門が自動化する場面で検討できます。ただしベータ版なので、まずは社内の検証用途から始めるのがよいでしょう。
始め方
- 情報システム担当が、自社・自校のChatGPTの契約プラン(Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu)を確認します。
- EnterpriseまたはEduの場合は、ワークスペースのオーナーがGPT-6.1 Solを使えるように設定します。公式には、オーナーによる有効化が必要とされています。
- DX担当と現場の責任者が、試す業務を1つ選び、「入力 → 処理 → 出力」に分けます。AIに任せる工程と人が確認する工程を決めます。
- APIを使う場合は、開発担当が料金表でGPT-6 AstraとGPT-6.1 Solを比べ、少量のデータで品質と費用を確かめます。
- 結果を見て、利用してよいデータの範囲や確認の手順を社内ルールに書き足します。
注意点
- 入力してよいデータ: 個人情報や機密情報を入れる前に、契約プランのデータの扱いと社内ルールを確認してください。コンピューター操作で撮るスクリーンショットには、機密情報が写る可能性があると公式ドキュメントも注意しています。
- データの処理地域: Ultrafastは、米国でのデータ保管と、地域を限定しない処理だけに対応します。EUなど米国以外の地域を指定した処理には対応していません。処理する国を指定する必要がある組織は注意が必要です。
- ベータ版の制約: Agents APIのコンピューター操作はベータ版です。アクセスするWebサイトごとに承認が必要で、パスキーやQRコードによるサインインには対応していません。重要な操作の前の確認は、利用する側のアプリで組み込む必要があります。
- 提供範囲の違い: GPT-6.1 SolはChatGPT WorkとCodexでの提供で、通常のチャット画面ではまだ使えません。Codex Security Cloudの対象プランや料金は、確認日時点で公式ドキュメントから確認できませんでした。
- 料金と日本語: API料金は米ドル建てです。日本語での性能についての個別の説明は、発表されていません。
TERRAISEに相談する
モデルや機能が一度に増えると、「自社・自校ではどれを、どの業務に使うか」の整理が先に必要になります。TERRAISEの60分の無料相談では、業務を入力・処理・出力に分け、今回の発表をどこに当てはめるかを一緒に整理できます。社内への定着を考えている方は生成AI研修「AX Academy」、学校の方は教育機関向けAI教育もご覧ください。
出典(2026年10月3日 14:21 確認)
- OpenAI「DevDay 2026 Recap」
- OpenAI「Introducing GPT-6.1 Sol(OpenAI)」
- OpenAI「API Changelog(OpenAI)」
- OpenAI「GPT-6.1 Sol モデルページ(OpenAI)」
- OpenAI「GPT-6 Astra モデルページ(OpenAI)」
- OpenAI「API Pricing(OpenAI)」
- OpenAI「Ultrafast mode ガイド(OpenAI)」
- OpenAI「Agents API Computer use ガイド(OpenAI)」
製品名・機能・提供範囲・料金は変わることがあります。導入前に必ず公式情報をご確認ください。
