OpenAIは、ChatGPTの中で常に動き続けるAIエージェント「dots」を発表しました。会話のたびに指示するのではなく、目標を渡しておくと会話の合間も作業を進めるため、日本の企業・学校では「継続する業務をどこまでAIに任せ、どこで人が承認するか」を決めることが新しい課題になります。
この記事は、OpenAIが2026年9月29日に公開した公式発表をもとに、2026年10月3日時点の情報で書いています。
何が発表されたか
dotsは、ChatGPTの中で動く「常時稼働のエージェント」です。エージェントとは、指示を受けて自分で手順を考え、ツールを使って作業を進めるAIのことです。公式発表の要点は次のとおりです。
- しくみ: GPT-6 Astraで動き、専用のクラウド上のコンピューターを持ちます。フィードバックから学び、目標に向けて24時間作業できるとされています
- アプリ連携: プラグインを通じて4,000以上のアプリにつなげられます。SlackやMicrosoft Teamsに追加すると、dot自身の名前で投稿できます
- 先回りの調査(proactive research): 頼まれる前に、接続済みアプリの情報を読んで役立つ更新を探します。この調査に使う道具は読み取り専用で、メッセージ送信やアプリ内容の変更、ブラウザーやコンピューターの操作はできません
- 人の関与: どこまで自分で動き、どこで承認を求めるかの初期ルールがあります。「Custom Rules」で、特定の操作を許可・承認必須・禁止に設定できます
- 料金: 最初の1つのdotはProまたはBusiness Premiumのプランに追加料金なしで含まれます。今後1か月は、対象のPro・Business・Enterpriseユーザーの利用枠に数えないとされ、その後の利用条件は後日公表とされています
提供範囲はプランごとに異なります。

| プラン | 提供状況 | 地域・条件 |
|---|---|---|
| Pro | 順次提供 | 欧州経済領域・スイス・英国を除く市場。18歳以上 |
| Business Premium | 順次提供 | ChatGPTの全対応地域。18歳以上 |
| Enterprise(Edu・Healthcareを含む) | ベータ版 | 管理者が有効にした場合のみ。初期設定はオフ |
日本語への対応については、確認日時点で公式の説明は見当たりません。
日本の企業・学校でどう使えるか
業務・授業での使いどころ
dotsの特徴は「一度頼めば、続けて見張り・進める」点です。単発の質問より、定期的に発生する仕事に向いていると考えられます。
- 営業・企画部門の情報収集: 入力(競合名や業界キーワード、接続した社内チャット)→ 処理(定期的に更新を調べて要点を整理)→ 出力(週ごとの動向メモ)。担当者は判断と次の打ち手に時間を使えます
- プロダクト・カスタマーサポート部門: 公式発表では、顧客の声から繰り返し出る要望を拾い、小さな改善を作って確認用にまとめる例が紹介されています。入力(問い合わせ内容)→ 処理(要望の分類と改善案の作成)→ 出力(人が確認する改善案)という形が考えられます
- 大学・高校の校務: 入力(予定表や会議資料)→ 処理(締め切りや準備事項の整理)→ 出力(教職員向けのリマインドや下書き)。Eduはベータ版で、管理者が有効にした場合に試せます
どれも、最終的な送信や決定は人が行う「下書き+人の監修」の形から始めるのが現実的です。
始め方
- 管理者が契約とプランを確認する: 自社・自校がPro、Business Premium、Enterpriseのどれに当たるかを確認します。Enterpriseでは初期設定がオフです
- Enterpriseの管理者が対象者を絞って有効にする: ワークスペース設定の権限画面にある「Use dots (Beta)」で利用を許可します。カスタムの役割を使えば、特定のメンバーやグループだけに許可できます
- 担当者がdotを作る: ChatGPTのデスクトップアプリか、パソコンのWeb版で作成し、案内に沿って初期設定をします
- 接続するアプリを最小限にする: まずは読み取りだけで足りる業務を1つ選び、必要なアプリだけをつなぐのがおすすめです
- Custom Rulesで禁止事項を決める: たとえば「メールは送らない」のように、承認が必要な操作と禁止する操作を先に決めておきます
注意点
- つないだ情報は記憶に使われる: 接続したアプリの情報を、頼んでいなくても読み、記憶を作ることがあります。個人情報や機密情報を含むアプリは、社内ルールで接続の可否を決めてからにしましょう
- 記憶を個別に消せない: 確認日時点では、dotの記憶を1件ずつ見たり消したりはできません。リセットするとdot自体と会話・記憶・予定したタスクが削除されます
- 管理者の権限設定: Enterpriseでは、Slack・Teamsへの追加、ローカルのコンピューターへのアクセス、Custom Rulesの利用を権限として管理できます。部署ごとに範囲を決めるのが安全です
- 未確定の点: 1か月後の利用条件、日本語での使い勝手は確認日時点で公表されていません。Enterpriseはベータ版のため、仕様が変わる可能性があります
TERRAISEに相談する
dotsのように「任せ続ける」AIは、どの業務を渡し、どこで人が承認するかの線引きが成果を左右します。業務を入力・処理・出力に分けて整理する作業は、60分の無料相談で一緒に進められます。経営としての方針づくりはAI顧問、学校での導入は教育機関向けAI教育のページもご覧ください。
出典(2026年10月3日 15:06 確認)
- OpenAI「Introducing dots」
- OpenAI「dotの始め方(ヘルプセンター)」
- OpenAI「dotsのプライバシー・セキュリティ・安全性FAQ」
- OpenAI「ChatGPTワークスペースでのdotsの管理」
- OpenAI「ChatGPTリリースノート」
製品名・機能・提供範囲・料金は変わることがあります。導入前に必ず公式情報をご確認ください。
